ご挨拶
子どもの可能性を引き出す
放課後等デイサービス
現在、通常の学級においても特別な支援を必要とする児童生徒の数は8.8%いると文部科学省が発表しています。大切なことは、早期から適切な療育を継続的に行い、二次障害を防ぐことです。しかし、私が県内A市で約7千人を対象にした調査の結果、診断名がある子はわずか1%にしかすぎませんでした。現実には、適切な療育が行われないまま生活をして、二次障害が起きてから専門機関に相談をしたり、医療機関を受診したりするケースがほとんどなのです。
更に、保護者の皆様が我が子の障がいを受け入れても次のような問題点があります。
1. 専門性のある教員や指導員の不足
2. 学校や各種関連機関の連携不足
これらの問題に対しては、行政も学校も全力で取り組んでいます。しかし現在は「放課後等デイサービス」の活用に大きな可能性があると考えます。その理由としては、次の点が考えられます。
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一人一人の障がいや課題に応じた支援ができる環境が整っている施設が増えてきている。
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同じ職員が小学1年生~高校3年生までの長期的な預りができる良さを生かし、一人一人の成長をじっくり支援することができる。
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保護者にゆとりが生まれ、お子さんを肯定的に見ることができるようになる。
特に苦手なことが多いお子さんは、幼少期のうちから様々な経験をして「できた」「上達した」といった成功体験をたくさん味わわせ、自己肯定感を高めることが大切です。現在たくさんの預かり施設がありますが、安易に近さで選ぶのではなく、こどもたちのやる気や可能性を引き出すよりよい施設を選択することが大切であると考えます。
学校心理士
ガイダンスカウンセラー
山内 康彦先生
学校心理士・ガイダンスカウンセラー
山内康彦先生 プロフィール
専門は特別支援教育と体育。岐阜の教員を20年務めた後、教育委員会で教育課長補佐となり、就学指導委員会と放課後子ども教室等を担当。その後、岐阜大学大学院で学び、終了後小中高・特別支援学校の専門職修士となる。 学校心理士やガイダンスカウンセラーの資格も取得。現在は、私立学校に勤めながら、学会発表や各県での講演会活動を積極的に行っている。現場目線、具体的な解決策を提案する講演会は各地で好評を得ている。著書には「体育指導用教科書(学研)」等多数あり。